屋根材の寿命、耐用年数はどのくらいか?

60年の耐用年数を誇る釉薬瓦

屋根の仕上げ材の種類として最も長持ちする屋根材は、瓦です。瓦の種類は、粘土瓦セメント瓦があり、粘土瓦にも焼き方によって 陶器瓦(釉薬瓦)、いぶし瓦、無釉瓦があります。 屋根葺き替えでは、瓦が一番長持ちです。

いぶし瓦は、瓦の形にかたどった粘土を窯で焼き、その後、松材や松葉で燻して(燻化工程)表面に炭素膜を作って完成。陶器瓦(釉薬瓦)は、瓦の形に押し固めた粘土の上に釉薬をかけて窯の中で高温で焼き上げたら完成しま。

粘土瓦と言えば、三州瓦(愛知県西三河)、石州瓦(島根県石見)、淡路瓦(兵庫県淡路島)の日本三大瓦が有名です。粘土瓦は、JISによって製造区分されていますが、釉薬をかけて焼き上げた「釉薬瓦(陶器瓦)」いぶすことで表面に炭化層をつくり独特の色合いを出すことができる「いぶし瓦」陶器の自然な風合いを残した素焼き瓦などの「無釉瓦」があります。

瓦表面に塗る釉薬がガラス質のコーティング材となりますので、雨が瓦内部に浸透して割れたり劣化することがなく、耐久性、対汚性に優れます。いぶし瓦は、表面を覆う炭素膜によって、防水や色彩を保っていますが、炭素膜の劣化が瓦の寿命となります。

陶器瓦の耐久性が半永久的であるのに対し、いぶし瓦は30 ~50年ほどではないでしょうか。粘土をそのまま窯で焼くため、光沢のない優しい朱色の自然な仕上がりが特長的です。スペインやフランスなどのヨーロッパの瓦ではよく見られるものです。耐久性は比較的長く、40~50年とされています。

釉薬瓦の写真

粘土瓦の耐用年数、寿命

●瓦の寿命、メーカー各社の見解


株式会社 鶴弥 Tel: 0569-29-7311
粘土瓦(釉薬瓦、燻し瓦、素焼き瓦)の寿命は60年が会社の見解。その根拠はキャスピーの記述60年とあるので、そうお客様に伝えている。耐用年数を測るのは、非常に困難であり、自社での測定、研究は行っていない。

三州野安株式会社 Tel: 0566-52-1148
瓦の寿命は、おおよそ60年は大丈夫。特にはっきりした根拠はない。大手ハウスメーカーも60年と言っている。愛知県陶器瓦工業組合Webからの記述粘土瓦は、陶器瓦とも言い、寿命は、50年以上、または半永久と言われている。
718年、養老2年、建立された元興寺に約1300年前の瓦が現存する。この瓦は1300年の寿命である。

瓦の耐用年数は:
40年以上から60年(釉薬瓦、陶器瓦は60年)



スレート材、アスベストの問題

通称;スレート材、日本工業規格では、JIS A 5423:2004番「住宅屋根用化粧スレート」1970年代ごろから盛んに使われ、瓦の重量の1/7の重さで軽く、家の構造も簡略化でき、建設費用も低く抑えられました。しかし、アスベスト・石綿は、肺ガン、肺気腫など人体への悪影響、健康被害の理由で平成18年、2006年、9月でその使用・製造・販売が全面的に禁止になり、石綿をその製品の重量の0.1%を超えて含んでいる場合は、その使用が禁止になったのです。

またそのスレート材料を撤去処分する場合は、解体時にその粉砕した粉塵、誇り、破片が周囲に飛散しないように養生(解体物をネットなどで覆うなど)して近所に迷惑をかけないよう努力しなければなりません。またその廃棄物は、その免許、資格をもつ専用の処理業者に処分を依頼しなければなりません。解体、処分費用が余計にかかります。

注: 石綿とは、天然に産出する繊維状の鉱物のこと
身近に石綿が含まれているスレート材があっても、アスベストが空中に浮遊することはなく、危険とは言えません。アスベストは、その細かい繊維が空中に離散、浮遊し、人が吸引すると危険であると言われています。スレート材のように、セメントで強固に固めた状態では、繊維が飛散する可能性は極めて低いです。但し、切断・研磨、破壊などを行うと、飛散する可能性があります。

極一般的なスレート材

上記のスレート材は、名称が、石綿化粧スレート材とも言い、メーカーの商品名は、カラーベスト、コロニアル(旧クボタの商品名)フルベスト(旧松下電工外装の商品名)と言う。一般にはスレート材、しかし、天然の石を薄く加工したものもあり、元はこちらをスレート材と言ったが区別するために、天然のものを天然スレート材と言う。



スレート材料、劣化の原因と耐用年数

スレート材(JIS規格では、住宅屋根用化粧スレート)は、主原料としてセメント,けい酸質,石綿繊維質原料,混和材料などを用いて加圧成形したもので、スレート材の主な劣化原因は、温度の変化(季節要因、1日の変化)、湿気、紫外線、水分(雨、乾燥)、地震、風による家のちょっとしたしなり、移動、揺れによるスレート材への負荷などで。

スレート材(カラーベスト、コロニアル)はアスベストの規制(2006年9月施行)が始まる前までは、石綿をセメントで固めたものであるので、水分、湿度が高い場合は、スレート材に浸透していきます。この水分やスレート材自体が温度変化による膨張、収縮を長年繰り返すことによって、徐々に材料の強度が落ちていきます。

割れ、欠け、ひびなどは、5,6年経過から観測されることもあり、10年ぐらいでスレート材がもろくなる場合も出てきます。ちょうど20年ぐらいでは、防水の主役である、ルーフィングの耐用年数が、このくらいであり雨漏りの事例が多くなります。スレート材の寿命もその家が建っている気象条件によってまちまちであり、メーカーもはっきりとした仕様は公表していません。しかし、おおむね 20年ぐらいが、耐用年数と考えていいのではないでしょうか。もちろん30年経ても屋根材としての機能は全く問題ない事例もたくさんありますので、一概に20年経過したら交換ということにはなりません。

スレートの屋根材料の再塗装は必要か?

スレート材は、金属材料のように錆で劣化するものではないので、塗装が寿命を延ばすか?という問いかけには、だれも正確なデーター、根拠を示せないと思います。水分、湿気は材料の上ばかりではなく横、下部分からも供給されますので、いくら材料の上側だけ塗装しても、劣化を止めたり遅らせる要因にはなりません。

ですので再塗装は美観の問題です。苔、カビ、誇りの着いたスレート屋根を頻繁に見ますが、屋根の機能に問題ないものは沢山あります。美観の為に高圧洗浄+再塗装は意味がありますし価値があります。しかしスレート材の耐用年数、寿命にはあまり関係ありません。

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